海外の一流がストレスを「力に変える」3つの方法

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ほぼ月に一回の海外出張で、各国各社のエグゼクティブと打ち合わせをしてきました。彼らは毎日のようにストレスを抱えながらも、とてもエネルギーがあります。

今回は、彼らがどうやってストレスを力に変えてきたかを共有します。

では、はりきっていきましょう!

 

ストレスを力に変える3つの方法

 

話していくと彼らがなぜトップになれたか、その要因が分かってきます。

その大きな一つが「変化に対する耐性」です。

彼らはみな変化を受容し(むしろ起こし)、それに挑戦する(むしろ興奮する)、情熱を持っています(そのパワーが他人から見ても伝わる)。打ち合わせをしていて「そのアイデアはいいね」とすかさずホワイトボードにイメージを書き出す。

「それは具体的にどうしたらいい?」と「早速社内関係者を調整します。次の打ち合わせをセットしましょう。」とその場で、部下に電話で連絡し、その場でアサイン。(その部下がその時ヨーロッパに出張してたらアメリカとヨーロッパ間でやりとり)

もちろん、経営者独自の嗅覚で安易には飛びつかず、かなり細部までお互い突っ込んでいきますが、保守的な人はいません。(確実に前に進めるために慎重)

変化はストレスを伴うものです。しかも、そういう立場の人たちは、私なんかよりも、はるかにストレスが多いです。彼らはそのストレスを力に変える方法を個々に持っています

 

1. マインドセット介入

 

こうした人たちと会食するときに、仕事がいかにハードかという話題になることがありますが、そんなとき、「ストレスって自分には良いことなんだ」と言われることが多いです。

そもそもマインドセットが違うと感じます。

私たちは、「ストレスは悪」と思いがちですが、彼らは「ストレスは仲間」と思っているようです。ストレスとうまく付き合っていきたいというチャレンジ精神や、その対象に対する思いやりといった発想を引き起こすことができます。

スタンフォード大学の心理学者 ケリー・マクゴニガル博士の著書「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」で、その辺りを言及しています。

 

スタンフォードのストレスを力に変える教科書(ケリー・マクゴニガル著)
不安、プレッシャー、過去のつらい経験はエネルギーの源。私たちは、「ストレスは悪いもの」と思っている。しかし、その思い込みこそが有害だとしたら―? 本書では最新の科学的実験と実際のストーリーをもとに、「困難を乗り越えて強くなる方法」を解き明かしていく。(Amazonより)

 

そもそも「ストレスは身体に悪いもの」ではないのです。
ストレスが身体に悪いと思っている考えが有害で、私たちのパフォーマンスに悪影響を与えます。

 

私はこれまでストレスは健康の敵だ、と教えてきました。でも、それがかえって人の健康に害を及ぼしていたかもしれません

 

著書の内容を一つ紹介すると、自分の人生や仕事においての「生きがい」や「信念」を認識することが大事と言っています。たとえば、ある会食で出てきた言葉ですが、「それって、もしかっしたら世の中を変えるきっかけになりますね “We can change something differently !”」といった視点です。

ストレスに対する考え方や向き合い方を変えることで、それを力に変えることができるのです。

なお、ケリー・マクゴニガル博士の「ストレスと友達になる方法(“How to make stress your friend”)」というTEDプレゼンテーションは、再生回数1200万回を超える人気コンテンツです。

 

 

2. マインドフルネス

 

欧米のエグゼクティブとの会食でもう一つ話題になるのがエグゼクティブカウンセルについてです。

「1. マインドセット介入」に関連しますが、自分の人生や仕事においての「生きがい」や「信念」を認識する際に、中立的な第三者(しかも専門家)の力を借りるのです。

皆さんが思っている以上に、欧米では相当普及していると思ってください。マインドセット介入が自発的な対策に対して、エグゼクティブカウンセルは他者の力を借りての対策です。

そして、その分野で注目されているのが「マインドフルネス」です。

私たちが感じる疲れは実は体に起因するものではなく、脳に起因すると言われます(つまり脳が疲れている)。脳の疲れを回復することで、ストレスとうまく付き合うのです。その脳を休める方法が「マインドフルネス」という手法です。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏や、セールスフォース・ドットコム創業者のマーク・ベニオフ氏、ツイッター創業者のエヴァン・ウィリアムズなどの著名経営者。企業としては、グーグル、フェイスブックといった企業研修、また病院や学校で広く採用されています。

 

何よりも実利を重視しそうなアメリカ人、しかも、「本当に役立つもの」にしか手を出さないはずのエリートたちが、なぜマインドフルネスを実践しはじめているのか? その理由は簡単です。彼らは「脳の休息」の大切さをわかっていて、同時に、マインドフルネスこそが「最高の休息法」だと知っているからです

 

脳の休息法を得ることで、ストレスへの耐性を高め、そして集中力やパフォーマンスを高めるのです。その起源は原始仏教にあると言われ、私たち日本人にはある意味馴染みやすい手法ではないでしょうか。

その詳細は、下記の書籍で話題になっています。
書籍では、その7つの休息法が図解で説明されていますが、言葉よりも図解を見たほうが早いので、もしご興味がある方はぜひ読んでみてください。第二章以降で物語風で書かれている内容にはかなりのめり込めます。

 

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる (久賀谷亮著)
【「脳疲労」がすぐ消えて、頭が冴える】
「疲れがとれない…」こんなに休んだのになぜ?――アイドリング状態でも勝手に疲労を溜めていく脳には「科学的に正しい休ませ方」があった! 集中力や行動力を高める究極の休息メソッドを、イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす。(Amazonより)

 

3. アクション、アクション、そしてアクション

 

3つ目のポイントはアクションです。
ストレスを力に変える方法はとにかくアクションすること。

前職のSAPのグローバルCEOとのランチセッションで、そのCEOの夢は「将来どんな小さなことでもよいので、世界になんらかのよい変化をもたらすことだ “Make something really good things to the world,that’s my dream !”」と言ってました。

「その秘訣は?」と聞くと、「私はこれまで何か特別にすごいことをやってきたわけではない「とにかく正しいと思うことを行動してきたんだ」と。

 

スキーは、恐怖に向かって前のめりになるほどスピードが出て、しかも重心が安定する。風の抵抗(ストレス)についても同様だよ

 

また、以前ダイヤモンドオンラインさんにインタビューいただいた5連載記事にも紹介しています。

Click➡︎ 外資系企業のエリートはどこがすごいのか?(5連載)

行動しないで見える景色(ただ漠然とした不安)と行動することで見える景色(不安の大小、優先度)は違います。行動しながら、軌道修正していくのです。

その点、拙著「初速思考 30代で一気に突き抜ける人の集中戦略(日本実業出版社)」で、そのノウハウを紹介しています。

 

プレッシャーを認識した上で行動することにどれだけのパワーがかかることか。それを繰り返した彼らからパワーを感じないはずがありません。変化を受け入れ、そのプレッシャーの中に一歩足を踏み込む。その経験の蓄積がストレスを力に変える源泉です。

 

変化をチャンスと感じるか?恐怖と感じるか?

 

ここまで触れてきたグローバルのエグゼクティブの中にはプレッシャーをプレッシャーと感じない人もいるかもしれませんが、そのほとんどがプレッシャーをきちんと認識しています。

ストレスとは感覚であり、それをどう感じ、考えるかはあくまであなた次第です。

変化をチャンスと感じるか? 恐怖と感じるか?

変化を許容しないよりも、長い先の本当の恐怖(変わらないことの焦りや恐れ)を生み出すほうがむしろリスクです。今のうちから積極的に変化を許容しておきながらその経験と習慣化を蓄積していきたいですね。

 

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

お互い切磋琢磨していきましょう。

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