資生堂前田元社長: 「経営」とは「人の行動を変えること」

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本日お送りしたいテーマは「資生堂前田元社長: 「経営」とは「人の行動を変えること」」、です。今日も自分独自の実体験をベースに3分程度で読める内容にまとめました。では、はりきっていきましょう!

以前、資生堂の前田元社長のお話を聞く機会があり印象に残っていたので、お伝えしたいと思います。

社長は一貫して「人」に徹した経営を推進されていました。

「経営」とは「人の行動を変えること

とおっしゃっていました。

私なりに感じたポイントを以下にまとめてみました。

 

1. 経営改革/構造改革

顧客思考の評価制度

「お客様志向の社内改革」のために、資生堂ではBeauty Consultantの評価制度について従来のノルマ(売上)を廃止し、顧客満足度に変更しました。

これは、「ノルマ主義で顧客満足ができるのか?」

という現場社員の要望によるものだったそうです。

お客様の声として110万通のハガキが集まり、毎月一回その声を各地域のBeauty Consultantにフィードバックします。

例えばその声の一つに「店頭が暗かった」というコメントがありましたが、もしそのお客様が次に来店してくださったときに店頭が明るくなったら、どんな効果があると思いますか?

Beauty Consultantは今回の取り組みで日々気が引き締まり、数字以上にお客様の声に意識を集中させる行動様式に変化しました。

経営改革/構造改革は「行動を変えること」ということでした。(事業再生は人材再生と言っていました)

 

反対勢力にどう対策を打ったか?(地道さと丁寧さ)

もちろんいい話だけでなく抵抗勢力もいます。その際の抵抗勢力は部長や支店長の数字責任を持つミドル層、ここの意識を変えてほしいという現場の要望に経営陣は応えました。

この発表の後、社長のイントラメールに多数の声(本当にうまくいくのか?)が上がりました。社長は「丁寧に」全てのメールに返事をして抵抗勢力との対話を試みました(「空気を変える」と表現していました)。

そうこうするうちに反対勢力の固有名詞がわかってくる。特定できれば、自分が直接話しにいくという脅し(笑)も混ぜながら徐々に反対勢力を味方に変えていきました。

最初から味方もいます。それは実は若者、特にBeauty Consultant。今回の取り組みは現場が普段思い悩むフィードバックが元にあったのですが、その声を経営に反映してもらう代わり彼らは「変わる」ことを約束したそうです。

 

経営の目線とミドルマネージャの目線の決定的な違い

経営者は限りがある。つまり任期があります。

マラソンでいうと49.195を自分のペースで完走するよりは、箱根駅伝で限られた区間で最大のパフォーマンスを発揮してバトンをパスする(しかもゴールはない)。

また、資生堂では10年ビジョンというのを立てていますが、時間という概念がミドルマネージャーとの違いの一つといえます。

 

2. 人材改革 (人材育成は意識や行動様式を変えることである)

役員に結果責任だけでなく育成責任も持たせる

資生堂では経営大学院という部毎のキャリアプランを元にした社内教育制度があるそうですが、ここでは社長は学長、執行役員は学部長として役員候補生に対する研修を実施しています。

各学部長は財務、マーケティング、などのトップであり、彼らが語り部となって「志の伝承」をはじめとした教育を行っているようです。選出されたメンバーは役員の疑似体験として(つまり「経営陣の立場で)、学長、学部長との積極的なディベートを行っています。

 

人の意識や行動のグローバル化(ダイバーシティへの対応)

資生堂は近年急速に海外売上比率が上がっています。日本をオリジンとしてのアジアの資生堂の地位を確立するためにはダイバーシティへの対応が不可欠です。多様化への対応のためにはミドルではなくトップが多様化すること。そうすれば下に波及しやすい。

 

新入社員研修

「周りに感謝することのできる人へ」をテーマに新入社員研修をしています。実際のビデオを見たのですが、研修時にたくさんの人が涙を流すくらい、社会人としての原点をこの研修は気づかせてくたのでしょう。

多くの感動がありました。しかし現場に配属されるとだんだん忘れていくもの。そこで資生堂では6ヵ月後、2年後、3年後と研修生が再び集まり原点を常に忘れないようにしています。 (「ノリをかけて、アイロンをかけて、現場に戻す」と言っていました)。

個人的には研修テーマは会社のビジョンや行動倫理で様々なですが、本質を突いた研修内容を提供している点が新鮮でした。

 

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

お互い切磋琢磨していきましょう。

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