【ケーススタディー:パナソニック】会議時間を短縮し、会議の質を高める「会議改革」

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先々週末の話になりますが、MBA実戦講座を行いました。

今回は会社経営者の参加者もいらして、他メンバーを交えながら会社の事業戦略に近い議論を中心に合計三時間ほどの開催。

メンバーも意欲的で、活発な意見交換があり、私自信も非常に大きな学びがあった会だったと感じております。

このMBA実戦講座は毎月開催しておりまして、毎回いろんな方が参加しています。

内容はワークショップ形式で、自分は教えるというよりもファシリテーションをする立場です。フレームワークの解説をして、実際にメンバーで考えてもらって議論をしてもらい、互いに学びを深める場にしようというのが狙いです。

さて今週も、ちょっとでも皆さんの知識向上になればとMBAショート動画をお届けします。

今回は「組織/リーダーシップ編」
そしてパナソニックさんをケーススタディーに会議改革を説明します。

「会議改革」で会議の生産性を上げる

今回は、組織とリーダーシップ編。テーマは、会議時間を短縮し、会議の質を高める「会議改革」。パナソニックの実例と一緒に解説します。

まず始めに、今回のテーマには2つの観点があると考えています。

1つ目は、皆さんが会議に参加する側で考えた時に、どのようにして生産的に回すかという観点。

2つ目は、皆さんがリーダーになって会議を改革する立場になった時。どのように会議の進め方を改善し、参加者の生産性を上げるかという観点です。

この2つの観点から、前回もケーススタディで取り上げさせていただいたパナソニックの会議を実例から、会議の生産性を上げる方法について解説していきます。

会議をダメにする7つの要因

本題に入る前に、生産性が低い会議とはどういう状態かを知ってもらうため、「会議をダメにする7つの要因」についてお話しましょう。

1:目的がはっきりしない

これは、会議がどこに向かっているか分からない。例えるなら、皆でボートを漕いでるイメージをした時に、ある人は右へ、ある人は左へ進もうとしているような状態です。

参加者の意識が向いてる方向が違えば、会議をしても話が?み合いません。

2:アクションを決めない

ある会議をする時に、30分何をしようか、1時間何をしようか。といった時に、次に繋がっていかない状態です。

そうなってくると、結局は会議そのもののリターンが発揮できません。

3:コントロールできない、他部署のせいにする

目的とゴールが決まっていても、そもそも会議自体が上手く回っていかない状態です。

これはどちらかと言えば、運営する側の観点になります。

4:過去の話の蒸し返し

昔にさかのぼって、「そもそもなんですけど……」「このへん全然決まってなくて」といった具合に話がどんどん戻っていってしまい、話が進まない状態です。

原因としては、1と2が関連することも多いです。

5:部分最適の主張を繰り返す

全体感が無く、参加者達の思いや利害で話が進んでしまい、会議全体がなかなか進まない。あるいは、特定の人の主張が強くて全体が引きずられてしまったり、発言者が偏ったりして、会議が思うように進みまない状態です。

こちらも、1の目的がはっきりしていないと起こりやすいです。

6:堂々巡り

同じ話題がひたすら繰り返される状態です。これでは、会議が先へ進みません。

7:問題のすり替え

3とも関係して、「そもそもなんですが……」「他部署の責任ではありませんか」等と、問題点がすり替えられていく状態です。

会議のゴール設定や課題の提示といった部分から、共通認識が甘かった。という場合に起こりやすいです。

目指す会議の姿

会議をダメにする7つの要因を知っていただいたところで、では「あるべき姿」とは何か?

それをまとめたのが、以下の図になります。

左のオレンジ部分が「会議をダメにする7つの要因」で、これを右の緑色に改善していきましょう。

特に重要な要素が、黄色で囲った1と2。やはり、まずは会議の「目的」と「ゴール」を明確にする必要があります。

最終的に目指すゴールがあり、それを達成するために会議を行います。その会議も毎回、今回はここまで決めよう、次はここを合有・意識合わせしていきましょう、といった目標を明確に設定していかなければいけません。

次に、雰囲気づくり。これは3に関わり、主催する側の技量に依存してきます。

例えば、発言者が偏らないように主催者側から話を振ったり、ルールを決めておく。発言しやすい空気感を作るために、どんな発言でも受け入れてあげる等の工夫もあります。

4について意識するべきは、30分も1時間も切れ目なく会話していくのではなく、その都度皆で経過をチェックして次へ進むこと。

何か大事な会話が起きた時に、それを1つ1つ経過としてチェックし皆で合わせていくことで、意識が高まる、認識にズレがあれば気付いたり収束したりできます。

5,6は、主催者が予め「この会議ではどんな会話が起こるか」イメージを持っておきます。

例えば、予めこういう話が出るだろうと予測しておき、それに対するデータや情報を集めておく。また、発言と影響力が強い人が居るならば、場合によってはその人と事前に会議の目的や趣旨をすり合わせておくなど。

こういったきめ細かいアクションが必要になってくる場合もあります。

そして最後。7の「集団志向の落とし穴」とは何か。

一例を挙げると、皆が特定の意見に「私もそう思います」等と均一で無難な発言をし、会議がどんどん平準化していく等で、結果的にたいした議論にならない場合。

しかし「みんなそう思います」といった総論を求める会議ではないので、主催者側が様々な観点から参加者に質問をしていくことで、違った観点や見えなかった観点から答えを導き出しましょう。

こういったことを意識していくと、会議の質が高まり、生産性が上がっていきます。

そして質と生産性を上げるためによく言われることが、会議の成功は事前準備で8割決まるということ。

前回もケーススタディで取り上げさせていただいたパナソニックさんは、会議の生産性向上と事前準備に関しても非常に工夫されていると感じました。

なので今回は、黄色で囲った「目的は明確か?」「会議のゴールは明確か?」に焦点を絞って、パナソニックさんを例に話を進めていきたいと思います。

こちらの動画のフルバージョンは2022年2月14日(月)配信の私のメルマガ第206号でテキストと共に配信しています。私のメルマガは「金田博之 メルマガ」で検索いただくと出てきます。ぜひメルマガで更に深い知識を得てくださいね!更に知識を深めたい方はMBA実践講座でもお会いしましょう!こちらは完全双方向型のワークショップです。「金田博之 MBA」で出てきますよ😊

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

お互い切磋琢磨していきましょう。

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