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本日お送りしたいテーマはプレイングマネージャーで終わる人、突き抜ける人、です。今日も自分独自の実体験をベースに3分程度で読める内容にまとめました。では、はりきっていきましょう!
30代の前半、全社のタスクフォースに入り、各部門を代表する参加者と部門を横断する課題について2週間に一回のペースで協議したことがあります。 (※ タスクフォース: 部門横断で選別され特別なプロジェクトを推進するチーム)
その時のテーマは「営業業務プロセスのシンプル化」でした。特に、当時の社内の値引き申請、契約書作成プロセスが煩雑で、たとえば営業と法務の間で何往復もメールのやりとりがあったり、あるいは直前の承認申請により経理の業務負荷が大きくかかるようなことがありました。これを「平準化」し、「シンプル」にすることで、営業・法務・経理・オペレーション他、関連部門の業務負荷を軽減し、何よりも、実行スピードを速めることを狙いにしたのです。
自分の視点がいかに狭かったかを思いやらされる
当時の私は自分の組織のことばっかり考えていたのですが、いかに自分の視野が狭いかを思い知らされました。
たとえば、当時の法務のメンバー(タスクフォースに選出されるのでエース級)は、自部門の都合だけを考えるのではなく、営業にとって、お客様にとって法務が何をすると経営的に貢献できるか?といった視点。営業のメンバー(エース級)は、どんな情報を早めに法務に渡してあげると業務負荷が軽減され、全社処理のスピードが早まるか?、そしてそれを全社で標準化できないか? といった視点で話をしているわけです。
しかも、適当なことを言っているわけでもなく、「自分の立場」から視点を上げて発言しているので、すべてが体験談に基づいており、話す内容が具体的で生々しいわけです。
全社のタスクフォースに選出されるようなエース級の人材はこうした視点を持っていて、当時の自分の視野の狭さでは発言すらはばかれ、私はタスクフォースに貢献できませんでした。
エース級と呼ばれる人材の持つ視点
ここで感じることは、エース級と呼ばれる人材の持つ視点の広さです。
自分の立ち位置から一つ上の階層で鳥瞰(鳥の視野で木でなく森を見る)すること、つまり「各部門の活動をきちんと他部門と整合させる」ことができているのです。視点は高く上げないと、広く見えません。
事業計画のキモは、自部門の戦略を全社戦略と整合させること。
その後INSEAD大学のExecutive MBAや、グロービスのEMP(Executive Management Program)クラスで学んだ事業戦略の超基本的なことですが、実務で経験してこれがいかに難しいか。自分の部署を中心に考えると、全社視点に立ったときにどこかの業務や部門に負担がかかり、結果的に全社のスピード感が欠如してしまうのです。
各部門の活動が全社視点で整合しない、つまりベクトルとあわないと、どれだけ個々人が努力をして最大限のパフォーマンスを発揮しても、それが会社の目標に結びつかなかったり、あるいは部門や部下の評価に結びつきません。
また、全社視点で整合しないと、会社のリソース(経営資源)を有効活用することがなかなか難しいのです。具体的には、他部門の支援が得られにくくなり、結果的に部下は仕事がやりにくくなるわけです。結果的に、自分の組織の部下へのパフォーマンスが限定的になります。
視点の広さは昇進の高さに比例する
そのタスクフォースで勉強し、その後、自分の意識が上がったわけですが、その意識のレベルと行動力の高まりに連動して、より責任ある仕事に就くことができるようになりました。今では、部長(部の長)から事業部長(事業全体の長)になり、組織(機能)単位でバラバラな事業はうまくいかないことを実感しています。組織のメンバーのパフォーマンスを最大化するためには、自部門の視点に加えて、全社視点を。こうした習慣を身につけておくことで、部下が仕事がしやすい、結果的にパフォーマンスも評価も最大化できる環境が整えられるものです。
と同時に、こうした視点を持っている人とそうでない人の違いが見え、やはり昇進が早い人(あるいは自分が昇進を判断する対象)は前者であることがわかりました。この視点がないと、プレイングマネージャーとしては立派でも、そこから突き抜けることができないのです。自分自身が決して「できている」というつもりはなく、自部門のKPIに固執するようになるとどうしても視点が狭まります。これはとても難しいことなのです。
口では簡単でも実践が難しいことですが、そもそも視点があるのとないのでは違います。その違いがリーダーの器の違いであり、私自身も今なおそれができていないことをはがゆく思うことがあります。日々、修行していることです。
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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!
お互い切磋琢磨していきましょう。