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今日発売のMONOQLO the MONEYにインタビューいただきました。全国のコンビニや書店で発売してます。
テーマは「課長の壁・部長の壁 (78頁)」です。課長で止まる人、部長で止まる人、それはなぜ? どうしたら突破できる? を2時間近くインタビューいただき、紙面4ページで掲載されました。なかなかよくまとまってます。
さて、このインタビュー記事に関連して、本日お送りしたいテーマは「課長の壁・部長の壁・英語の壁」、です。今日も自分独自の実体験をベースに3分程度で読める内容にまとめました。 では、はりきっていきましょう!
Facebookを見ていると、よく海外出張に行く人を見かけます。私が20代の時は海外出張に行く機会があまりなかったのですが、今は年齢問わず英語ができると海外で仕事ができちゃう。そんなグローバルな時代です。
英語ができなかったら「一発」で次の活躍のチャンスを失うことも
私の事業部門でも、部下に海外出張に行かせる機会をたくさん作っているのですが、ここで英語ができる人と、できない人で出張の成果が大きく分かれます。
前職も現職もそうですが、海外出張を部下に打診するとメチャメチャ喜びます。でも、現地でまともな会話もできず、報告もできず、大恥をかいて、暗い顔をして帰国してくる人が多い。で、そういう部下の話を聞くと「英語をもっと勉強しておけば良かった」、「これから死ぬ気で英語を勉強します」とほぼ必ず言ってきます。その時は、「次はがんばってね」と気の利いた言葉を返してあげますが、現実は違います。
本人は悔しい思いをして敗者復活戦を狙っても、上司の立場からすると一度そんなレベルの低い成果を持ってこられたら次の出張の機会は躊躇します。コスト(予算)に見合ったリターン(成果)がないからです。エコノミークラスで計算してざっくり往復25万〜40万。1日換算で5万〜8万。あとホテル代で1日に1万〜2万。それに日給分と日当。せめてそれくらいのアウトプットは意識して頑張ってほしい。
その本人が次に行けたとしても、上司自らが同行するか、英語ができる人をその人に同行させるか、もっと無難な海外出張に回すか、その人しかできない仕事内容だったらやむを得ず通訳を用意する・・・結局、本人にとっての「次」は想像以上に英語が話せない状況なのです。ハードルはますます上がります。
つまり、海外出張をなめていたら、「一発」で次の活躍のチャンスを逃すこともあるです。
「いつか英語ができればいいや」とダラダラ考えている人は、そのほとんどが英語で仕事をするチャンスを逃すでしょう。「いつか英語ができるようになろう」って思って、この「いつか」を漠然と考えている人が多い。つまり「期限」を切って集中していない。だから、突然出張の機会が来たらそのチャンスを逃してしまう。「チャンスの神は前髪しかない」のです。
チャンスの神は前髪しかない
カイロスの風貌の特徴として、頭髪が挙げられる。 後代での彼の彫像は、前髪は長いが後頭部が禿げた美少年として表されており、「チャンスの神は前髪しかない」とは「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることは出来ない」という意味だが、この諺はこの神に由来するものであると思われる。 また、両足には翼が付いているとも言われている。(Wikipediaより)
英語ができずに苦労したこんな話
英語ができずに、部下のこんな失敗話を聞いてきたり、あるいは直接現地で目にしました。(あと、私の恥ずかし体験もこの中にいくつか)
- 空港に着いて、出国手続き・税関・荷物受け取りがうまくできず、上司を出口で待たせる(いきなり冷や汗)。続いて、タクシードライバーにうまく行先を説明できず、「どこに行きたいの?」と聞かれてあたふた (あと、発音が伝わらず。例えば「ヒルトン」の「L」が言えなく「ヒートン」と聞こえる。ここで「ヒートン」という地名があったら最悪)。
- タクシーで肝心の地図を「日本語」で印刷してきてしまったので、運転手はなんとなく通り(Street)の形状で行先を判断。通り名が英語で書かれていれば大丈夫なんだけど、この場合は「ざっくりこの辺」となり、結果アポ先等の目的地から遠いところに降ろされる。 ※ 今はGoogle MapやUberがあるのでこういうケースは減ったと思いますが。
- 各種資料、そして地図を準備し、気合を入れてアポ先の会社に行ったものの、肝心の受付でアポがうまくできず遅刻。打ち合わせをうまくやることばかりで頭の中がいっぱいで、受付が必要だということをすっかり失念。「誰」と「何の目的」で打ち合わせをするか説明できず怪しまれる。(いきなり本題に入ろうとする日本人の悪い癖)
- 名刺交換の際に気の利いた言葉が言えず、相手に「堅苦しい人」「ぶっきらぼうな人」と思われて、序盤から印象を悪くする。明らかに相手の笑顔が少なくなる (日本だと、部署名・会社名を読み上げるだけでもよいが、海外はそうはいかない)
- プレゼンをするも、英語が冗長(日本人の英語によくある傾向)。回りくどい。結果、プレゼンの予定時間が過ぎ、議論の時間がなくなる。議論が少なくなった分、報告する内容も薄くなる。結果、まともな報告ができない。
- ディナーをネットで予約(日本で)したところまではよかったが、上司やお客様がそのお店(あるいはジャンル)をあまり気に入ってくれず、急きょ現地でお店変更。電話がうまく通じず、結局当初のお店で食事。食事が美味しく喉を通らない。
- お客様との会食で、ウェイターからお水は何がいいかを聞かれる。「Still or Sparkling ? (Still WaterかSparkling Water)」と聞かれているも聞き取れず、何となく「Sparkling」が日本でも聞き覚えのあるので、つい「Sparkling Wine」と答えてしまい(水を聞かれているのにワインをいきなり聞かれたと誤解)お客様の前で恥をかく。しかも、本人はお酒が飲めないから、その後本当にSparkling Wineがきて酔っぱらう。
- 打ち合わせの内容を報告したくも、論点が全然整理できなくて深夜まで作業。せっかくの現地でのご飯にあやかれずルームサービス。また、英語でのノートが慣れなくて、ごちゃごちゃに書いた内容が読み取れず、報告に膨大な労力を費やしてしまう。(英語でノートに書く訓練をしておかないと、ほんと苦労します)
英語ができることで得られる活躍のチャンスとは
ここで言う活躍のチャンスって何か? 私が見てきたリアルな現場をお伝えしますね。
- 英語が話せない上司の代わりに、英語で資料を説明する機会ができる。日本だと絶対にありえないシーンが海外だとありえる。その分、話す対象はハイレベルな人で、内容もハイレベルで緊張はするが、これがうまくいけば一気にその上司の信頼を得られ、次の出張の機会(より上司レベルの仕事ができるようになる)が増える。
- 現地で名刺交換をした外国人と関係ができ、日本に帰国後、海外と電話会議やメールができるようになる。周囲からは「あいつ、英語で仕事してるよ」と注目される。グローバルに仕事ができる機会が日本でできる。英語を使う機会が増えれば、自然と英語力は高まる (ちなみに、一度顔合わせした外国人だったら、英語で会話する安心感が違い、その後の会話はめちゃめちゃスムーズ)
- 上司やお客様のために、お店を予約することで話題の中心になれる。海外は日本と違って上司もお客様も気持ちが開放的なので、普段、日本だとなかなか話す機会がない上司やお客様と2時間以上は雰囲よく、じっくり話せる(ここで事前にレストランについて、そこでのこだわりメニューについて等を事前に情報収集しておくと話題作りになってよい)。共通の話題ができ、帰国後に上司やお客様と親密になっている(上司やお客様との関係が作れる)
- 英語が必須な仕事で、周囲に英語が話せる人が少ないケースにおいて、日本語ベースでは自分よりも優秀な人を差し置いてグローバルで仕事ができる機会が自分に回ってくる。結果、当時のライバルよりも一歩二歩抜きん出る。
課長の壁・部長の壁、そして英語の壁
さて、日本がグローバル化していくということは、その変化の起点(つまり会社上層部)から、英語が必須になるわけです。つまり、英語は出世の必須条件。つまり、それができないと課長、部長の昇進のチャンスが激減するのです。例えば、
- 自社がグローバル企業に進化しようとしているのに、自分自身はグローバル人材に進化していない。グローバル化に向けて新しい組織がポツポツ出来て出世のチャンスがあるはずが、波に乗れず。当然そのポストに入れない。(既存の狭きポストの中で出世競争、順番待ち)
- 自社はグローバル企業じゃなくても、お客様がグローバル企業に進化。グローバル視点での提案力に欠け、競合に負ける。あるいはお客様と海外に同行するも、現地でまともな会話ができず。結果、成果が出ない。
- 立場上、上司としてグローバル会議で発言をしなければならないが、それができない。代わりに部下が発言。こうしてグローバル経験を積んできた部下がどんどんと育っていく。今は大丈夫でも、長い目でみたら・・・(立場逆転)
- 自社が国際人材を採用するようになり、部下をうまくリードできない。日本語ができる海外人材しか採用できない。条件付きの組織しか任されなくなる。
大企業、中小企業関わらず多くの企業がグローバルに出ています。「そうは言っても自分は海外出張に行く機会がないので」という人の声をよく聞きますが、それを聞くと私はこう思います。「それって本当ですか?」「あなたの会社で海外出張する人はゼロですか?」
つまり、そう思い込んでいる時点で、すでに自分にその(出世の)チャンスが来ない状態になっているかもしれないのです。
それはなぜ?
自分でそのチャンスを作る準備をしていなかったからです。
では、ビジネス英語は何から身につければいいの?
では、ビジネス英語で何から身につければいいか?
ずばり、発音です。
発音ができないと、話が通じないし、耳にも入ってこない。つまり会話にならないのです。日本人は、受験時代をだいたい経験しているので英語を「語学」と考えてしまい、文法や単語など無機物を相手に英語を学習しようとしてしまう。しかも完璧(高得点)を目指す。
でも「ビジネス英語」は生き物。表現は選択肢形式でもなく、穴埋め式(回答が一つ)でもなく、無限大。つまり中学英語でもよいので、とにかく「出さない(アウトプットしない)」といつまでたってもサバイバルできません。しかも、今のグローバルの常識は、英語の文法や表現が多少粗くてもとにかく会話をしてくる中国人・韓国人・欧州人といったノンネイティブが大半。アメリカ人もそれに慣れている。だから発音。発音ができれば、さまざまな国の人の話が聞き取れるのです。そして片言でも伝わる。そんな相手に完璧英語を身につけていても実践で使わなかったら意味がないのです。
そして、絞りと頻度。
例えば、使う単語を一旦絞って、それを繰り返し使ってみる。あるいは使うシーンを絞って、そのシーンに入ったら怖じ気つかずに英語を使ってみる。例えば、挨拶、名刺交換、プレゼン、ディナーなど。使う頻出単語やシーンを絞って英語を実践してみる。すると相手の反応が出る。これだけで「Early Success」です。どんな小さなことでも成功しないと自信はつきません。自信がつかないと楽しくないし、継続しません。
こうした点をふまえ、英語を「速攻」で身につけたいなら、私がよく参考にしている➡ こちらのサイトにアクセスしてみるのがおすすめですよ。横山さんには過去に何度かインタビューいただきました。非常に洗練された英語学習方法を生み出していますね。ここで言及した発音がすぐに身につき、そしてシーン別の英語をパターン化して勉強できます。
なお、「Early Success」に関して、こちらのコラムも参考にしてみてください。
➡ 「失敗」ばかりに目が行くあなたが取り入れるべき視点
課長・部長になる30代からでも英語は十分に身につけられる
私は30歳まで英語がほとんど話せませんでした。だから、ここまで説明した話は他人ごとではなくいつか見た景色。
その時の工夫はこちらのインタビュー記事に掲載されています。こちらもご参考までに。
- 自分なりの“英語のコア”を作ろう : マイナビインタビュー (2012/1)
- アジア流英語速習術 (3連載) : 日経ビジネスオンライン (2014/3)
- “カタカナ英語”でもビジネスで十分通用する!第一線社員の「現場で使える英語術」: 日経トレンディーネット(2016/12)
あと、拙著「アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術(日経BP社)」もご参考に!
29歳でグローバル企業の副社長補佐に抜擢された時、英語を全く話せなかった筆者が、どのようにして「仕事で使える英語」を数カ月で習得したか、そのノウハウを開示する。キーワードは「アジアの非ネイティブに学ぶ」。日本式の「暗記」「座学」を捨て、韓国人、中国人などが実践する、より能動的な学習法を取り入れて、英語力を短期間で伸ばす。「実戦重視」「楽しさ重視」「コスパ重視」の3つの視点から、アジア式の英語勉強法を整理し、自ら磨きをかけてきたメソッドを紹介する。今日から使えるビジネス英語の例文、会話例、便利なサイトなど、内容に対応した「お役立ち情報」も豊富に掲載。(Amazonより)
英語って、10年前と違って「語学」レベルじゃなく「ビジネス」レベルが当たり前の時代。どれだけ日本語で仕事ができても、一般英会話ができても、ビジネス英語が使えてなんぼ。チャンスが来なければ、英語を使う機会はプライベートのほんの限られた時間でしかない。実践する機会がなければ英語は生きたビジネスの場で通用しないのです。言い換えると、普段やっている仕事の内容を、どれだけ英語で話せるか? だから、手広く勉強するよりも、勉強テーマを絞って結果を出さないといけません。
それを先延ばしするほど手遅れになるのです。英語は早くから取り組むに越したことはありません。しかし、30代からでも十分に身につきます。私がそうでした。でも、本当に手遅れになる前に行動しないと。そのためには「期限」を切って集中して英語を身につけることが重要です。一人でも多く、グローバルに出世のチャンスができることを願います。
他にもMONOQLO the MONEYのインタビュー記事「課長の壁・部長の壁」に関連して発信したこちらのコラムもご参考までに。
➡ デリゲーションのジレンマ: 自分がやるvs.相手に任せる
➡ どんな相手でもその長所を見抜く3つの方法
また、本編とは直接関係ないですが、苦労話ついでに先週配信し好評だった「➡ 外資系トップエリート?? のリアルなうつ体験談(全5章)」もぜひご参考に!
金田博之 Official Website “Think Globally, Act Locally” を最後までお読みいただきありがとうございます。1日3分でわかる”40代で年収が下がらない7つの極意~世界一流のワークライフデザイン~ “を発信しています。ぜひ定期購読される方はFeedlyで読者登録ください!(➡️ こちらから!)
このコラムは、私の人生戦略ノートの「スキルの「かけ算」による差別化特化」に書き込んでいる内容です。他にも関連コラムを蓄積していきますので、ぜひあわせてご覧ください。少しでも、お役に立てれば幸いです。こちらです ➡ 02. スキルの「かけ算」による差別化特化
今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように! お互い切磋琢磨していきましょう。
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