目標設定をしても毎回未達に終わってしまう。そんな経験はありませんか?
私も上手い目標設定ができずに苦労してきました。
目標設定が上手い人と下手な人の違いとは何でしょう?
私が海外の一流から学んだその着眼点と目標ノートの書き方について今回は説明します。
では、はりきっていきましょう!
「判断基準」を 押さえておく
あなたは、新しく目標設定をする際に「何を基準」に判断していますか?
あるいは「何を基準」にその目標の優先付けをしていますか?
目標設定がうまい人は、その目標の元となる「判断基準」を持っています。
私たちは、何かを行動する時に必ず何らかの判断基準を持っています。
車の運転、ゴルフ、飲み屋の予約、なんでもそうです。これが仕事になるとなおさらそうで、意思決定が早い人、行動が早い人は必ず「判断基準」を持っています。しかもそれがぶれない人は、行動が一貫し、しかも継続する。だから成長し、結果が出るのです。
目標設定について後ほど触れますが、まず考えなければならないのがこの点です。私たちは判断基準がないと、何が正しいのか、どこまでやればいいか、 比較ができません。
「自分の拠り所」を考えておく
目標設定は「自分の拠り所」を確り考えておくことでもあるのです。
拠り所がないと不安になりませんか?
特に、人種、志向が異なるグローバルでは当たり前のこと。
当然、私がこの重要さを認識できたのはグローバルを舞台に仕事をやり始めてから。それまでは(目標設定の素人時代)、ただのKPI人間で、毎年毎年が場当たり的で、一喜一憂型。目標は会社から落ちてくるもの、とずっと思っていました。その間、グローバルの同僚がガンガン私を突き放しますからそれはそれは焦りました。
そして、彼らに聞いてわかったのが、”You must have your decision criteria(判断基準を持たなきゃダメだ)“ということで、それからの私はBefore / Afterで大きく成長が異なります。事実、出世もでき、給料もはっきりと違いましたので。だからこの重要さを私自身身をもって実感します。
その山を目指すために
その判断基準となるものが「目的」です。
目的は、「自分が目指す先(到着地点)」を決めることです。
概念的にいうと「どの山の頂上をめざすか?」ということです。一方、目標は「その山を目指すために、どの経路で、いつまでに、どこまで行ってみるか?」を決めるもの。
つまり、目的が定まらないと、目標の設定のしようがないのです。
「ただなんとなく、この辺りを目指そう」と目標設定をしても、それが方向性として正しいのか? が分からずに、手探りで行ってしまい、また翌年に違う経路を試してみる…時間と体力だけが浪費します。もちろん、決してムダとはいいません。
目的を確り見据えながら、自分の判断の優先度を決めていくのです。
目的がある人、ない人の景色の違い
目的を設定する際は、つまりどの山頂かを考える際は、その山頂に達したらどんな景色が見えるのかを想像すると良いでしょう。そこから見た周りの景色、自分の表情、周囲の表情など。
目的を持っていない時の私
- ただ給料が欲しい (稼ぐだけが目標)
- ただ出世したい (同様)
- ただスキルを上げたい (例えばMBAスキル全般)
- ただグローバルで働きたい (例えば英語を習得)
目的を持った私
- 他人にはマネできないユニークな人材になる(当時の私はIT×グローバル×経営者人材を目指し差別化)
→ 結果、自分だけに入ってくる仕事や出世の機会が増加
→ だれもできないことに特化するほど給与的価値も向上
→ そのために毎年必ずそのための情報収集、スキルアップを目標設定 - そうして得た経験を、自分の部下、周囲の人間に還元→ 部下の育成 → 組織の発展→ 部下の成長 → 自分の成長→ 出版や、講演会、メディアインタビューの依頼増加
→ 他人視点に立つことで、逆説的に自分が身につけ伝播すべきスキルを目標設定 - グローバルレベルの会議で、日本発グローバルの企画を発表し、(小さくても)グローバル社会に変化を作りたい
→ 英語学習の動機が一気に上がり、上記目的と合致しないムダな英語学習を徹底的に排除
→ 英語学習が目的ではなく、英語が拙くても、海外が注目してくれる、一生懸命聞いてくれる自分の将来の姿を徹底的にイメージ(結果、初回の超カタコト英語でも、自分しか話せない内容だから代打なし、会議で各国の参加者が一生懸命に耳を傾けてくれた。その経験で何かが吹っ切れ、すごい自信につながってそこから英語力が一気に向上)
目的に近づくにつれて、もっと上の山頂が見えてくる、目指したくなってくるものです。すぐにはできませんが、目的を毎日のように考え続けることが肝心です。
INSEADで学んだこと:自分の素直な気持ちを絵に描く
今回のコラムを考えていたときに昔「ある絵を描いた」ときの衝撃を思い出しました。
それはINSEAD大学のエグゼクティブクラスのリーダーシップ論の講義で・・・今日はどんなケーススタディーが始まるのかどきどきしたのですが・・・いきなり先生から「自分が今目指す姿を絵に書いてください」と言われた時のことです。
30代、40代の会社を代表するいい大人達が「絵?」ときょとんとした顔をしたのを思い出します。そしておもむろに模造紙とカラーペンを渡されました。
以下の8つのキーワードが与えられました。
- HEAD(頭)/HEART(心)
- Stomach(胃)/Throat(喉)
- Work(仕事)/Leisure(余暇)
- Future(未来)/Past(過去)
このキーワードに対してカラフルなペンを使いながら頭の中のイメージを自由に描くように指示がされました。たしか30分与えられた記憶があります。
その後6人グループに分かれてその絵を使ってプレゼンテーション(各自10分)とグループ討議をさせられました。例えば頭を頭痛ととらえ今の悩みを描く人がいれば、頭の中の計画を図示する人がいたり、喉に対しては何かを訴えたいけど伝わらない様子や人前で自分のビジョンを語っている様子、未来に対しては「壁」を書く人がいれば「山を登る」イメージを描く人がいたり、みごとにその人の自由な発想が絵に表れていました。
基本的に多くの人が人体をベースに描いていましたが、その頭と胴体のバランスも一つのチェックポイントでした。
あなただったらどんな絵を描きますか?
普段活字に慣れた私達は絵を描く機会が非常に少なくなったと思います。
自分の潜在的な意識をいろんな色を使って絵に描いて表現してみる・・・すると、自分の心境や思い、あるいは目標がビジュアルに変化する。そして頭の中にその全体像を焼き付けることができます。
これは文字には無理なことです。所要時間30分を考えてもらえばよいですが意外とのめりこみます。今回は様々な含みがあるのですが、その中でも以下が実践して学んだことでした。
- 自分の頭の中をビジュアルにして描いてみること(スポーツ選手が自分の成功イメージを文字でなくビジュアルで描くように)
- 自由な発想/柔軟な発想を持つこと(絵を描くといかに自分の頭の中が固くなっているかわかりますよ。蛇足ですが文字以外の表現方法を知ることも重要。)
- なるべく視野を広く持つこと(絵を描いてわかるのですが・・・まさにBig Pictureを描けるか?とはこのことです)
MBAでもこんなことを真剣にやるんです。ちなみに、いろんな国から人が来ていたので、彼らが書く絵を見るのも楽しかったです。そのわずかの時間の中に様々な価値観を共有できました。(ちなみにインド人が個人的に一番発想が豊かで面白かった)
そのことをきっかけに、INSEADで学んだ海外一流の同僚達はノートに自分が目指すゴールをビジュアルで描いていました。マインドマップ もそれに近い発想です。
目的をノートにビジュアル化する
目標設定が上手い人と下手な人のノートの違いは「目的をビジュアルで描けているかそうでないかの違い」です。
プロ野球選手やパイロットになりたい子供が持つ夢や、自分の存在意義を漠然と持つ感覚を持つことに近いです。これがあるとないとでは、目標の考え方や執着心、好奇心が全然違います。
繰り返しますが、目的は、「自分が目指す先(どの山の頂上を目指すか?)」を決めることです。一方、目標は「その山を目指すために、どの経路で、いつまでに、どこまで行ってみるか?」を決めるもの。
目的を判断基準に目標設定をしてみましょう。それにより、これまでと全く違う景色が見えてくるはずです。
それでは、目標設定の工夫についてこちらのコラムで説明します。ポイントは、あなたもおそらくご存知の「PDCAサイクル」を目標設定に生かすことです。
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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!
お互い切磋琢磨していきましょう。