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本日お送りしたいテーマは「記憶力アップの「13の法則」: 記憶力(ウィリアム・ウォーカー アトキンソン著)」、です。では、はりきっていきましょう!
ゴールデンウィークは読書を楽しもう! ということで、今日も読書特集をお送りします。GWは一日1冊ペースで読書をしています。午前は読書とブログへの整理、午後は車でドライブと、仕事から完全にオフをしてなかなか充実したGWです。
このコラムの文末に書籍で紹介されている記憶力アップの「13の法則」を紹介します。記憶力があれば仕事はすごくはかどりますよね。勉強したり、経験したりする内容がどんどん頭の中に蓄積できます。でも、記憶力って人の能力で差が開くように思えますし、年をとると低下していくと思っていました。でも、そうではないことがわかりました。
どんな工夫をするとよいでしょう?
記憶は顕在意識に「全て」記録される
人間の思考の世界の大部分は、潜在意識の中にある考えや感覚などで成り立っています。意識的な行為であっても、その背景には必ず潜在意識があるということです。ということは、潜在意識に印象を強く焼き付けることが記憶力アップのカギっていうことですよね? これ、私は無意識でした。潜在意識に印象を「受け取り」 、「保管し」 、「呼び戻す技術」を改善させることで、顕在意識の領域に呼び出しやすくなります。これが記憶力のメカニズムと。言われてみて確かに納得です。
「注意力」を高める
潜在意識に強く焼き付けるのが「注意力」です。頭脳のレベルに個人差があるのは 、「注意力の度合いの差」があるからと著者は言及します。
能力が発達した人は 、興味のないものにも意志の力によって注意力を向け、手に入れたい情報が頭に入るまで、その注意力を留めておくことができます。そういう人は意志の力で、非常に興味のあるものから、退屈で興味の湧かないものに注意力を移動させることもできます。
能力の発達した人は、ほぼどんなものにも何か興味を見出します。そのため、同じものを見たり考えたりしても何も興味を感じない未熟な人よりも、ずっと注意力を集中しやすくなります。
人間として発達した人のもう一つの能力は、好ましくない対象物は自分の注意、つまり顕在意識の領域から締め出してしまえるということです。これもやはり意志の力を使い、興味のないものに注意力を集中するときと同じようなやり方をします。
未熟な人は、意識的な注意力はないに等しく、外から入ってくる印象に振り回されています。
最初に印象を受け取ったときに注意を向けることが必要です。そして注意力を高めるためには、記憶の対象となるもの全体に注意を払いつつも、その細部に次々と意識を向けることが重要です。この意識、私はなかったです(できてても、無意識でした)。著者はこう言及します。
ものごとを分解し、分析する能力を使ったとき、対象物の印象は最も強く焼きつけられます。知的作業を行う際、この 「分解力 」を使わなければ進歩は望めません。
注意力を高めるには五感の「間接的な感覚 」を使う
記憶に残るものは 、注意力がサイズを決め 、興味が色を決めるようです。そして注意力とは 、「意識を集中する力 」です。その注意力を高める方法として、五感を使うことが大事。この五感は「直接的な感覚 」と「間接的な感覚 」に分かれます。
「直接的な感覚 」は印象を脳に直接伝えるもので、 「触覚」「味覚」「嗅覚」がこれにあたります。こうした感覚を使うとき、人は印象を生み出している対象物と接触します。一方、「間接的な感覚 」は印象を間接的に脳に伝達するもので、「視覚」と 「聴覚」のことです。
直接的な感覚によって伝えられた印象が、記憶力で簡単に呼び起こせないのに対し、間接的な感覚によって得た印象は思い出しやすく、知性を使って訓練すれば、かなり高度なレベルに到達することができると著者は言及します。そこで、「視覚」と「聴覚」を高める方法に展開します。
視覚を高める方法
目に映ったものの明確な印象を心が記録し 、価値あるものとして大切に保管します。そして心にこの作業をさせる唯一の方法は 、観察力を鍛えることです 。
観察力を鍛えるには、「興味 」と「注意力 」が重要な要因です。それも全体から徐々に細部へ。興味のあるものには強い注意力が向けられますから、鮮やかな印象が余すところなく記録されます。
私は、何かの記憶を呼び戻すときにただ漠然と「こんな感じだった」で済ませてしまうことがあります。細部が抜け落ちているのです。そして心にこの作業をさせる唯一の方法は 、観察力を鍛えることです。心に強く印象を焼きつけるためには、慎重に、こまやかに観察しなければなりません。目に映ったものの明確な印象を心が記録し 、価値あるものとして大切に保管することが必要なのです。(書籍では注意深くものを 「見る 」ためのエクササイズ 1~7を紹介)
聴覚を高める方法
目から入ってくる印象のほうが早く取り込まれますが、耳から頭に入ってくるもののほうが記憶に留まりやすいようです。鋭い聴覚を養う最良の方法も、注意力と興味を養うことです。
確かに、読んだことよりも聞いたことのほうが、ずっと思い出しやすいものです。作家の中には、 「講演などで聞いた言葉を思い出す場合は、聴覚のはたらきに加えて、話者の容貌や身振り、表情を思い出すといった形で、視覚にも助けられている 」と考える人もいて、これを聞いて確かに納得できます。(書籍では聴覚を鍛えるエクササイズ 1~7を紹介)
関連性を作り記憶を「再生」する
注意力の次に大切な要素が「関連性」です。著者は以下のように言及しています。
対象になるものや考えを頭に記録する機能は、その対象物に注ぐ注意力に大きく左右されます。一方、記録したことを再生する機能は、受け取った印象を過去に記録されたほかの印象とリンクさせる「関連性 」の度合いで決まると言っていいでしょう。受け取った印象の記録や保管をするとき、最高の結果が生まれるのは、対象となるものに注意力を集中したときです。しかし、保管した印象を思い出すときは、思い出したい印象を二つ以上のほかの印象と関連づけられることが、最高の結果に結びつきます。
一つの印象と、その直前、もしくは直後に記録された印象には、密接なつながりが生まれます。書籍ではこんな例が紹介されており、「なるほど」と思いました。
詩を読むときは、一つの単語の終わりを次の単語の始めと結びつけると、それぞれの単語から次の単語を連想することができ、順番どおりにくり返すことができます。子どもはアルファベットをAからZまで簡単に言うことができますが、Zから始めてAまで言うのはどうでしょうか? 後ろから言う練習をしていないかぎり、できないはずです。高度な記憶術を身につけた人は、連続性による関連を使って何百という単語を暗唱することができますが、最初のほうを省略して途中から始めることはできません。
多くの印象同士を関連づけるほど、思い出すのは簡単になります。そのためには先述した「注意力」で極力明確に潜在意識に記録しておくことです。取り込んだ印象はなんらかの形でほかの複数の印象と関連づけなければ、そもそも思い出すことができません。
あいまいに記録された印象を顕在意識の領域に呼び戻すのは非常に難しく、注意力によって明瞭に記録された印象は比較的呼び出しやすいというのは事実です。しかしあいまいな印象も、頻繁に思い出すことで強化されて鮮明さが増し、もともと鮮やかに記録された印象のように思い出しやすくなります。また 、何か重大な状況で受け取られた印象ははっきり記録されやすく、したがって思い出しやすくなります。
「連続性による関連」は、新しい印象も過去に取り込んだ印象も、同じとき、あるいはその前後に記録されたほかの印象をよみがえらせる傾向があると著者は説明しています。近い時間に記録された印象は互いに結びつきやすく、一つを思い出すとたいてい、ほかの印象もよみがえってくるのです。
これを読んで感じたイメージは、何か記憶する対象に対し全体像をつかみ、細部に注意を払う際に印象に残るもの(それは興味がベース)を五感で感じることで関連性を作ることができるということです。
テン・クエスチョン・システム
印象を復活させるために有効なシステムが「テン・クエスチョン・システム」です。以下の10の質問で構成されています。保管されている印象や情報に対し以下の質問を考えることで、顕在意識の領域に引き出してくれるのです。これ、早速実践したいので下記に記載しておきます。
- その由来または起源は ?
- それはどんな理由で始まったか ?
- それにはどんな歴史があるか ?
- それはどんな特質や個性を持っているか ?
- それを連想させるものや 、関連しているものは ?
- それをどのように利用 (活用 )するのか ?
- それは何を表しているか ?
- それからどんな結果が生まれ 、どんなことが起こるか ?
- それは最終的に 、あるいは将来的にどうなるか ?
- それについて自分はどう考えているか ?その理由は ?
何かを記憶したいとき、そして呼び戻したいときに役に立ちそうで、私自身は時折このコラムを読み返しながらこの10の質問を頭に入れて習慣化していこうと思います。
数字、人の顔、名前を記憶する方法
仕事をしていて、数字、人の顔、名前を記憶しておくとどれだけよいか実感します。そこで、書籍では以下の要領を紹介しています。書籍で紹介されている内容をそのまま紹介しますが、これを読んだ私は、これまでただ感覚で何とか記憶を「呼び戻そう」としていたことがわかります。そうではなく、その前段階である印象を「受け入れる」「保管する」工夫が足りなかったのです。
数字を記憶する方法
数に関する能力を高めるには、小学校の教科書で使われるような初歩の暗算を毎日一レッスンこなしていくのがよい。日付や年号を覚えられない人は、重要な人物やものと年号を組み合わせたメンタルイメージを描くプランが効果的です。「視覚化」、つまりメンタルイメ ージを描く方法です。例えば、年号にまつわる人物やものと組み合わせて視覚化して記憶するのです。
人の顔を記憶する方法
人の顔の記憶については、まず顔を研究し、興味を持ち、注意力を向けることです。そうすることで人の風貌や顔立ちに観察力が向けられ、短期間で大きな成果が現れるでしょう。人の顔に興味を持つよう努力する→顔を観察する→興味が生まれると注意力が高まる→注意力が高まると記憶力が向上します。
名前を記憶する方法
名前を即座に思い出せる人は、人から好意を持ってもらうための強力な武器を手にしているということですから、この能力を鍛えるのは誰にとっても価値があると言えるでしょう。
多くの人の問題は、会った相手の名前について考えないことにあります。聞いた名前の印象を心に刻もうとせず、相手の容貌や性格、仕事、心の中で考えているであろうことなどに注意力を奪われてしまいます。このような不注意さのせいで、あとから名前を思い出そうとしても出てこないのです。
まず、相手の名前に興味を持ちましょう。名前に思いをめぐらせ、注意を向けてください。次に、その人の容貌の印象に注意を集中するよう努めます。私が以前知っていたある男性は、人の名前を鼻と結びつけていました。彼にとってはそういう連想がしやすかったようで、人の鼻を見ると名前を思い出し、名前を思い浮かべると、無意識のうちにその人の鼻のメンタルイメージを描いていました。人と別れたあと、必ず名前と結びつけて、その人の容貌を思い出しましょう。
記憶力アップの「13の法則」
このコラムの最後に、書籍で紹介されている記憶力アップの「13の法則」を紹介します。記憶によって印象が取り込まれる際 、印象の受け取り、記録、再生は、13の法則に支配されています。特に法則1〜3が重要です。
- 法則1: 集中力を使って鮮明な印象を取り込めば、あとから思い出しやすくなる
これまでも述べてきたように、最小限の努力で思い出せるような形で頭に記録したいなら、対象物の印象に向けて心を集中することが必要です。一般的に印象の強さは、対象物に向けられた注意力と興味の量に正比例すると言えます。したがって、明確な印象を記録できるよう、注意力と興味を強化するのが何よりも大事です。- 法則2: 最初に印象を受け取ったときに 、明確に記録すること
最初に受け取った印象が鮮明であるかどうかは、多くのことを左右します。あるものの印象は、最初に記録された印象の上に築かれていきます。最初の印象が鮮明でない場合、欠けている部分をあとから修復するのは非常に難しいため、最初の印象を削除して、新たに最初の印象を記録するという作業が必要になります。そうしなければ、記憶が混乱してしまうのです。ですから、印象を最初に受け取るときは、可能なかぎりの注意力と興味を対象物に注ぎましょう。- 法則3: 最初からあまりに細かい部分まで覚えようとしないこと
この法則を守れば、不必要な努力もエネルギーの無駄遣いもしなくてすみます。最初は対象物の大まかな姿をとらえることに専念し、マスタ ーできたら、それ以外の重要な情報を徐々に取り込んでいきましょう。- 法則4: 頻繁に思い起こすほど、印象は鮮明さを増していく
記憶力強化プランの土台になる法則です。もしもこの法則を取り上げられたら、プラン全体が崩れ落ちてしまうでしょう。ここで言っているのは、最初に受け取った印象を意識的に思い出すことで、同じ対象物からもう一度印象を受け取ることではありません。- 法則5: 印象を思い起こすときは、印象の元になっている対象物をなるべく再確認しないようにすると、永続性のある強い印象になる
この原則については、レッスン4「視覚を通した認識と記憶力」で触れました。ポイントは 、頭の中で何度も印象を思い起こす作業が大切だということです。もちろん、細部が把握できていないこともあるでしょうし、欠けているものを確認するために、対象物を再確認しなければならないこともあるでしょう。しかしまず、記録されたものをはっきり思い出して 、印象を鮮明にすることに努めましょう。あとから確認した細部についても同じ作業を行うと、思い出すたびに細部が補われて完全な姿に近づいていきます。- 法則6: 記憶力の訓練には、対象物の新しい印象を取り込むことよりも、過去に記録された印象を思い起こすことが大事
「法則5」と非常に似ている法則です。細部が思い出しにくいからといって、すぐに対象物を再確認したりせず、できるかぎり記憶に頼るべきだということです。記憶はどんどん使って鍛えるべきもの。対象物が目の前にないときだけ、しかたなく使うものではありません。- 法則7: 対象物をはじめて観察しているとき、つまり過去に記録された印象がないときは、似ている印象を思い出して、連想のチェ ーンをつくればよい
新しい対象物の印象を取り込みやすくする法則です。新しいものを過去に覚えたものと結びつけることにより、連想のチェ ーンをつくり、すでに頭に定着している印象に新しい印象をつなげることができます。- 法則8: 連想のチェ ーンをつくれば、一つの印象から次々とつながるようにして、ほかの印象がよみがえる
あるものの一部が思い出されると、心は同じもののほかの部分もスム ーズに思い出します。ですから、たくさんのものをつないでチェ ーンをつくり、どのパ ーツも全体の一部にすると、どこからスタ ートしてどちら向きに進んでも、チェ ーン全体をたどっていくことができます。- 法則9: 対象物の観察や調査には、五感を最大限に活用すること
同じものが対象でも、心に記録される印象は知覚器官によって異なります。したがって、複数の感覚を使えば、使う感覚の数だけ印象を取り込めることになります。名前や日付を覚えようとしているのなら、くり返し声に出すだけでなく紙に書いて目で確認すれば、音という抽象的な印象に加えて、視覚的な印象も取り込むことができます。こうすれば、取り込んだ印象を思い出すときに、全体の印象、音の印象、紙に書かれたものの印象を活用できます。- 法則10: 弱い感覚は、その感覚に合った方法で鍛えれば大幅に改善できる
特定の感覚を通して取り込んだ印象が思い出しにくい場合は、鮮明な印象の記録が可能になるように、その感覚を鍛えましょう。- 法則11: ある印象を思い出せないときは、その印象と同時に受け取られた印象か、関連性のある要素を思い出す努力をすれば解決できる場合がある
人の名前を思い出せないときに応用できる法則です。相手の名前が顕在意識の領域に出てきてくれないときは、アルファベットを一文字ずつ、ゆっくりと検証していきましょう。名前の最初の文字を考えていると、名前自体の印象がよみがえってくることがよくあります。名前の最初の文字は名前全体よりもはっきり記憶されることが多く、最初の文字を思い出せば、連想によって名前そのものがよみがえってくるのです。この方法がうまくいかなければ、相手の容貌や話し方、最初に名前を聞いたのはいつ、どこだったかなどを思い出す方法に切り換えましょう- 法則12: ある印象を思い出したいときは、それとつながりのある明確な印象を思い出し、同時に取り込まれていたほかの印象をよみがえらせること
見境なく思い出そうとするよりも、このほうが効果的である「法則11」を実行しても、同時に受け取った印象も構成要素も思い出せない場合は、思い出したいこととなんらかのつながりを持つものの印象を思い出す努力をして、対象物に、そして可能であれば、その印象が記録されたときの状況に、できるかぎり近づきましょう- 法則13: 意識的に思い出そうとして失敗した印象が、あとで自然によみがえってきた場合、将来利用できるように、その直前に顕在意識に入ってきた印象を覚えておくこと
ある印象を思い出すことを心が拒絶したのに、あとになって自然によみがえってきたとしたら、それはもちろん潜在意識のはたらきです。けれど少し注意深く調べてみると、その印象が顕在意識の領域に入ってきたのは別の印象のすぐあとで、二つの印象には一見、明らかなつながりがないことがわかります。思い出せなかった印象の直前に顕在意識の領域に入ってきた印象を覚えておけば、長い時間がたってから同じことをまた忘れたとしても、思いのままに呼び戻すことができます 。
記憶力を鍛えることは、どんな人にとってもためになります。何か一つの対象に注意力と関心を注ぐことによって 、それが仕事であろうと勉強であろうと楽しくなり、成果も上がります。著者が言及している「仕事に臨んでいるときは 、仕事に打ち込む。そして休息や遊びのときには、仕事のことは決して考えない」こと。とても重要なことだと共感しました。
記憶力(ウィリアム・ウォーカー アトキンソン著、ハーパー 保子翻訳)
記憶はいつでも引き出すことができる!ベストセラー著者が残した、もうひとつの名著。
100年以上読み継がれてきたベストセラー『集中力』の著者が、本名で書いた14のレッスン。頭に一度焼きついた記憶というのは、本来なくなることはありません。記録されたものはすべて存在しつづけ、意志の力でいつでも呼び起こすことができるのです。記憶のメカニズムをわかりやすく解説しながら、記憶を目覚めさせる具体的な方法を説いた1冊。これで、あなたの頭にも無限の力が宿る! (Amazonより)
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